音と映像と通信のプロフェッショナル展として、国内外のトップレベルの映像機器、放送機器、さらに、音楽制作・音声編集にまつわる最新のハードウェア、ソフトウェアなどが一堂に会する国際展示会「国際放送機器展(Inter BEE 2009)」が、今年も千葉市・幕張メッセにて開催された。本イベントでは、全世界的にメディアのデジタル化が加速する昨今、さらなる制作環境のシームレス化を目指した各種レコーディング機器や多彩なソフトウェアなどの最新モデルが続々と登場。また、昨年のリーマンショック以降、世界的な不況のあおりを受け本イベント全体の規模も縮小している状況の中、プロオーディオ部門では、豊富なアイデアが活かされた便利に使える音楽制作ツール、より高いサウンドクオリティを目指したオーディオデバイスなど、各社独自の様々な新製品が展示されていた。それでは、早速各社ブースの展示内容をピックアップし、会場からのビデオレポートをお届けしよう!
ヤマハのブースでは、「Cubase 5」と高音質16チャンネルFireWire DSPオーディオインタフェース「MR816 CSX」をバンドルした限定版パッケージ「Cubase Producer Pack」の展示と、スタインバーグの映像・音声編集プロダクションソフト「Nuendo」を核としたシンクロナイザー「NUENDO SyncStation」が初公開されていた。NUENDO SyncStationは、映像機器やSD/HDハードウェアとNuendoを高精度で同期させられるのが特徴で、放送業界のスタンダードとして今後注目されること間違いなしの製品だ。
ヒビノのブースでは、SoundcraftのデジタルライブコンソールSiシリーズの最新モデル「Si1」が初公開され話題を呼んでいた。この「Si1」は同社の「Si2」と「Si3」をコンパクトにしたモノラル32チャンネル仕様のミキサーで、レキシコンのリバーブやdbxのダイナミクスプロセッシング技術を搭載しているのが特徴だ。さらにフェーダーや各種ツマミはグラフィカルに表示されるため、暗いライブ会場でも視認性はバツグン。まさに次世代のライブコンソールといったモデルだ。
また、同ブースではJBLのライブスピーカー、VERTECシリーズの最新モデル「VT4886」と「VT4883」も展示されていた。「VT4886」は3-Wayラインアレイスピーカーシステムで、許容入力750W、最大音圧131dB SPL。「VT4883」はサブウーファーで最大入力1600W、最大音圧127db SPLとなっている。
さらにAKGのコーナーでは、USB接続タイプの最新マイク「Perception 120 USB」とデザインが個性的な「LC」が参考出品されていた。「Perception 120 USB」はUSBケーブルで簡単にパソコンと接続できるのが特徴で、「LC」は女性の顔を邪魔しないように細身のデザインとなっているのがポイントだとか。どちらも今後要チェックのアイテムと言えそうだ。
オーディオテクニカのブースでは、人気アーティストBoaやAIが実際のステージで使用しているカスタムマイク、「ATW-T6100カスタム(Boa)」や「ATW-T3300カスタム(AI)」を始め、リボンマイクの最新モデル「AT4080」も展示。このAT4080は通常のリボンマイクとは異なり、まるでコンデンサーマイクのようなデザインなのが特徴的。また、同ブースではすでにリリースされているヘッドホン「ATH-PRO700」のゴールドモデル「ATH-PRO700 GD」も展示され注目を集めていた。ちなみに、BoaやAIのカスタムマイクは非売品。AT4080やATH-PRO700 GDの価格はオープンプライス。
Solid State Logicのブースでは、コンパクトなボディが印象的な16チャンネルアナログミキサー「X-Desk」が展示されていた。発表以来、初めて見るという人も多かったのだろう。ブースでは多くの人が足を止め、製品紹介に耳を傾けていたのが印象的だった。
このX-Deskは、ブラックを基調としたシンプルなデザインに、8本のチャンネル・フェーダー、精密なバーグラフによるレベルメータリング、DIM・CUTボタンなどを装備し、モニターコントロールなど細部にまでこだわったプロフェッショナルレコーディングに精通したSSLならではの数多くの機能が盛り込まれたコンパクトなミキサーだ!
TCグループ・ジャパンのブースでは、青くどっしりとした存在感を醸し出すカプセル交換可能なコンデンサーマイク「Bottle」を始め、レスポンスの速い「Bottle Rocket:Stage Two」やトップエンドが非常にシルキーなサウンドとして定評の高い「Dragonfly」、さらに高級感漂うシルバーのダイナミックマイク「enCORE 100」とピンクゴールドの「enCORE 200」が注目を集めていた。
「enCORE 100」はAriaダイナミック・カプセルを搭載し、バランスの取れたハイエンドと精密なディテール、そして卓越した透明感が特徴。指向特性は安定した高SPLハンドリングと軸外ノイズに強い単一指向性。またハンドリング・ノイズを最大限抑えるラバー・カプセルマウントを採用し、ライブからスタジオ/ブロードキャスト・ユースまで、幅広い用途で使用できる。
一方の「enCORE 200」には独自の出力トランスフォーマーと「Active Dynamic」ファンタムパワー回路を搭載し、高出力を確保しつつ、安定したトーン・コンシステンシーと低ノイズを実現。スタジオ・クオリティーのナチュラルなボーカルを録りたい人にオススメのマイクだ。
エムアイセブンジャパンのブースでは、ついに発売が開始された、Novation×Abletonとの共同開発によって実現したAbleton Live用のUSBコントローラー「Launchpad」が早くも展示されていた。
Launchpadは、PADやコントローラー、DAWソフトなど、様々な音楽制作ツールに精通したNovationとAbletonがタッグを組んで開発した、人気DAWソフト「Live 8」に特化したUSBコントローラーで、8×8(合計64個)のマルチカラー・ボタンを使ってLive 8上のクリップ(音楽ループ素材)を再生することはもちろん、ミックスや定位、トリガー、フェーダ、エフェクトセンドなど、多彩なアプローチが可能となっており、各操作を直感的に操れるコントローラーとしてライブや各ステージでのパフォーマンスに重宝すること間違いなしのアイテムだ!
フックアップのブースでは、読み込んだアコギのコード(オーディオデータ)を素早く解析し、コードの構成音を個別に編集できる、まさに夢のオーディオ・ピッチ&タイミング編集ソフト、celemony「Melodyne Editor」が初公開され話題を呼んでいた。この「Melodyne Editor」は、アコギはもちろん様々な楽器でも使用可能で、今年一番の注目株といっても過言ではないソフトだ。
国内代理店であるフックアップによると、リリースは今月11月中、価格は¥39,900。要チェックのアイテムだ。
DENONのブースでは、SD/SDHCカードの他、各種USBストレージ上のオーディオファイルを再生可能な1Uサイズのソリッドステートマルチメディアプレーヤー「DN-F300」を筆頭に、ハーフサイズラックマウント「DN-F400」、またDN-F400専用コントローラー「RC-F400S」などが展示されていた。
DN-F300は、SD/SDHCカードの他、各種USBストレージ上のオーディオファイルを再生することが可能な1Uサイズのソリッドステートマルチメディアプレーヤーで、このほかオートキュー機能や、フレームサーチ付きのキュー出しなどに対応した特性を備えている。また、省スペースに貢献するハーフサイズラックマウントタイプのDN-F400は、視認性豊かなOLEDディスプレイを採用し、シンプルな操作性を特徴としている。さらに、このDN-F400専用コントローラーRC-F400Sは20ポイントのポン出しをはじめ、ジョグダイヤルを使った軽快なトラックサーチや、ファイルリストモードのファイル再生などが行なえる。幅広い用途に使用できるメディアプレイヤーとして、様々なシーンで活用できる。
日本エレクトロ・ハーモニックスのブースでは、DAWソフトウェアのカテゴリとしては久々の新規参入となる、話題のPreSonus「Studio One」が展示されていた。
このStudio Oneは、1つのウィンドウでいくつもの機能を効率的にオペレートできるイージーユースなインタフェースが特徴で、レコーディング、マスタリング、MIDIシーケンスといった各オペレーションを、手軽にかつ本格的に行なえるのが魅力のソフトウェアだ!国内での発売は現在のところ未定で、同社では年内の発売を目指しているとのこと。価格はオープンプライス。


