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MM Pickup Gadget #003「ZOOM / H2」

 毎回、ミュージック・マスターがセレクトした音楽や音が制作に関する話題の製品を、様々なゲストと共に徹底紹介していく番組「MM Pickup Gadget」(エムエム・ピックアップ・ガジェット)。今回はリリースされたばかりの要注目の新製品、ハンディ・レコーダー「ZOOM / H2」をピックアップしてお届けします!番組では、ZOOM社から「飯島」氏(常務取締役)、「工藤」氏(H2開発責任者)、そしてプロ・エンジニアの「くぼつよし」氏(Soul Kスタジオ)をゲストに迎え、H2について様々な角度からお話を伺いました。また、同氏による「H2スペシャルレビュー」も同時に掲載しておりますので、ぜひ皆様併せてお楽しみください!!もちろん、番組はお馴染みの「MMポッドキャスト」でも好評配信中です!

     
   
     

■ZOOM / H2 スペシャル・レビュー
~ 音で残す!合い言葉は「思い出づくり」 ~


 現在大ブレイク中の「ハンディ・レコーダー」の名付け親ともいえる ZOOM社から、ステレオ録音の醍醐味を存分に味合わせてくれる待望の新作、デジタル・ハンディ・レコーダー「H2」が登場した。

 このH2は、今年初旬のNAMMショーで初披露され、その後、じっくりと熟成が繰り返されたモデルであり、その開発コンセプトは、ずばり「思い出づくり」。例えば、昔のカセットテープを引っ張り出して、何十年も前の音がそこから飛び出すと、タイムマシーンに乗って過去に遡ったかのような錯覚に陥るが、このH2は、そんな懐かしのカセットテープに変わる、次世代のハンディ・レコーダーなのだ。


 

■ステレオ録音に特化したハンディ・レコーダー


h2_photo1 H2の外観は、見た目はシルバーで重量感があるが、実際には小型軽量で、片手にスッポリと収まるのが特徴だ。これならば、いつでもどこでもバッグやポケットから取り出して録音が行なえる。また、本体のマイクの指向性は縦方向で、専用電源とパソコンのバスパワーで動作し、アルカリ単3乾電池2本で約4時間の連続録音が可能。しかもビックリしたのが、このサイズで、フロントとリアに計4本ものコンデンサーマイクが搭載されており、2マイクによるステレオ録音をはるかに越える、4マイクでのサラウンド録音が行なえる点だ。各部スイッチの操作感は、誤動作を防止するため、突起が最小限に抑えられており、感触はソフトだが確実なスイッチ感で、液晶画面との連動もばっちり。なお、スイッチのクリック音は、同社のH4よりも低減されている。

 例えば、H2を持って山に出かければ、虫の声や、川のせせらぎが目の前にあるかのような自然なステレオ感で録音することができ、その再現性たるや、クラストップレベルの実力を誇る、深みのあるサウンドだ。特にリアル感を追求した、太めで前に出るサウンドは、まさに「思い出」に値する心に響くサウンドで、これはXY方式による緻密なマイク設計と、フロント90度、リア120度のマイクがミックスされた、ZOOM技術陣のこだわりと経験で完成したH2ならではのサウンドキャラクターだといえるだろう。また録音シーンに合わせて、フロントマイクのみや、リアマイクのみで、指向角を変えた録音も行なえる。しかも、その際には、マイクパターンインジケーターと、使用しているマイク側のLEDが点灯する親切設計だ。

h2_photo2 実際の録音作業では、レベルの調整方法が2通りあり、マニュアル調整と、「AGC/COMP」(オート・ゲイン・コントロール)がある。このAGCは、8プリセットのコンプ/リミッターをシーンに合わせてセレクトするだけで、録音のオーバーレベルを防ぐことができる初心者にうれしい機能だ。例えば、単体のボーカルやギター、スタジオでバンドのリハーサルやコンサートを録音したい場合に、そのサウンドに合わせたPLUGをセレクトするだけで、最適かつパワフルな音で録音してくれるのだ。またAGCをONにした場合、「REC LEVEL」の調整が不要となるため、面倒な録音レベルからも解放される。また、レベル調整後は、赤のRECキーを押すだけで録音がスタートするのだが、さらに便利な機能として、「AUTO REC」機能がある。これはあらかじめ設定したレベル以上/以下の音量がH2に入力されると自動的に録音がスタート/ストップする機能で、液晶画面のメーターでそのスレッショルドレベル (動作点)の調整が可能だ。実際には、会議やバンドリハーサル時に、録音ボタンを押す手間を省いたり、ブランク部分を少なくして録音時間を伸ばしたり、録音後の曲の頭出しや、効果音などのファイル整理がスムーズになるといった様々なメリットが挙げられるであろう。

■プロ仕様でありながら親切な録音機能は大きな魅力


h2_photo3 また、録りこぼしや頭欠け防止機能として、「PRE REC」機能があり、この「PRE REC」をオンにすれば、録音ボタンを押した2秒前から録音されるので、不意に始まった演奏や、突発的な音でも収録できてしまうのだ。さらに録音時の音質補正では、「LO CUT」による低音域のカットや、ボーカルや野外で、息や風が強い場合の録音で活躍するウィンドスクリーンが付属されている。

 録音したデータは、付属の「SDカード(512MB)」に記録され、録音データはフォルダを分けての保存が可能。録音形式は「2chステレオ」、「2ch・サラウンド」、「4ch・サラウンド」で、さらにマルチ録音で便利なmonoミックスでの録音も行なえる。そして、録音の際の記録フォーマットは「wav」と「mp3」で、wavでは24bit/96kHzまでに対応。長時間録音を行ないたい場合には、mp3の 48kbpsにも対応している。ちなみに、4GBのSDHCカードを使用すれば、MP3 128kbpsのフォーマットで約68時間の録音も可能だ。また、このクラス初ともいえる、某海外放送局の強いリクエストにより実現したという「BWF (ブローキャスト・ウェーブ・フォーマット)」に対応しているのもポイントだ。

 その他にも、Cueポイントや録音日のデータを書き込むことができたり、録音後の小さい録音レベルの音量を波形で持ち上げる「ノーマライズ」や、データを分割する「ディバイド」、4ch録音されたサラウンド素材のレベル調整をして2chファイルにミックスする機能、さらにはメトロノーム/チューナーなど、楽器練習を行うユーザーやコンピュータが苦手なユーザーにも嬉しい便利な機能の数々が、H2本体内にあらかじめ搭載されている。このようにH2なら、本体内蔵のマイク(外部マイクも使用可能)を使ったバンドやデモ用の音源録り、野外レコーディング、会議の録音はもちろんのこと、クラッシック系のプレーヤーが、譜面台の上に置いて練習用に利用するなどまだまだ沢山の活用アイディアが考えられるはず!操作が簡単で、メカ音痴の人でもすぐに使いこなせてしまう超多機能なH2は、音楽に興味のあるすべての人にオススメしたいハンディ・レコーダーだ。(文=くぼつよし)

筆者プロフィール:くぼつよし
 Soul Kスタジオ・チーフエンジニア。レコーディングからミックス、映画/CM、イベントなど、様々な経験と経て2006年10月に「Soul Kスタジオ」を設立。カリフォルニアのスタジオをイメージした打ちっ放しの内装が話題となっている。仕事のポリシーは、Spontaneity!(自然な流れに身を任せることで、即応すること)。

製品仕様:H2
 ●同時録音トラック: 【ステレオモード】2、【4CHモード】4 ●同時再生トラック: 【ステレオモード】2、【4CHモード】4 ●ロケート: 時/分/秒 ●ファイル編集: 名前編集、削除、ファイルサイズ確認、録音日付確認、分割、ノーマライズ ●その他機能: MP3エンコード、A-Bリピート、ローカット、AGC/コンプレッサー/リミッター、マーカー機能 )●A/D変換: 24ビット128倍オーバーサンプリング ●D/A変換: 24ビット128倍オーバーサンプリング ●信号処理: 32ビット ●記録メディア: SDカード(16MB~2GB)、SDHCカード(4GB) ●録音フォーマット: 【ステレオモード】WAV(量子化ビット数: 16/24bit、サンプリング周波数: 44.1/48/96kHz)、MP3(ビットレート: 48~320kbps/VBR、サンプリング周波数: 44.1kHz)、【4CHモード】WAV(量子化ビット数: 16/24bit、サンプリング周波数: 44.1/48kHz) ●電池寿命(アルカリ電池使用時): 連続録音時間/4時間、連続再生時間/4.5時間 ●外形寸法: 63.5(W)×110(D)×32(H)mm ●重量: 110g(電池含まず) ●付属品: SDカード(512MB)、デスクトップ・スタンド、マイククリップ・アダプタ、ウィンド・スクリーン、イヤフォン、USBケーブル、ステレオYケーブル、ACアダプタ(AD‐0006) ●メーカー希望小売価格:税込29,400円

ZOOM H2 収録音サンプル
音源名: ジャズバンド生演奏 列車通過音
アーティスト: 森山樹芳グループ
収録場所: 新宿ワダチ 都内某所踏切付近
H2指向角: フロント90度 フロント90度
サンプル:


フィシャルサイト(http://www.zoom.co.jp/japanese/products/h2/index.php)


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